相模原市防災設備協同組合様「生成AIで行う業務革新セミナー」開催報告

かながわ労働プラザの会場で講習会を受講する参加者の皆さま

相模原市防災設備協同組合様「生成AIで行う業務革新セミナー」開催報告

2026年7月17日(金)、かながわ労働プラザにて、相模原市防災設備協同組合様を対象とした生成AI活用講習会「生成AIで行う業務革新セミナー 〜書類作成から積算・コンプライアンス確認まで〜」を開催いたしました。本講習会は、神奈川県中小企業団体中央会様のご仲介により実現したもので、講師はさがみはらIT協同組合 代表理事・株式会社キャリッジリターン 代表取締役の福田信也が務めました。

ご参加いただいたのは、消防設備の工事・保守・点検を手がける中小事業者の皆さま10名です。生成AIを業務で使った経験のない方が大半を占める中、「実務にすぐ効くAI活用」を体感していただくことを目指して内容を設計しました。

かながわ労働プラザの会場で講習会を受講する参加者の皆さま
会場(かながわ労働プラザ)で受講される皆さまの様子

二部構成 —「AIに1つ頼む」から「AIチームで会社を回す」へ

今回のセミナーは、前半・後半の二部構成で進行しました。

前半は、生成AIに1つずつ仕事を頼む体験パートです。相模原市防災設備協同組合様から事前にいただいたご要望をもとに、次の3テーマを取り上げました。

  • 文書・提案資料の作成(雑なメモを、体裁の整った提案資料の下書きに)
  • 積算・拾い出し(是正対象のメモから、数量×単価の見積叩き台を作成)
  • 法令遵守の確認・照合(点検報告書ドラフトを、記載観点で照合し漏れを洗い出し)

後半は、本講習会の主役である「AIチームで会社を回す」パートです。複数の生成AIに役割(まとめ役・文書係・積算係・法令チェック係)を持たせ、「この現場、提案から見積・点検チェックまで一式作って」というひと言の指示だけで、提案書・点検報告書ドラフト・見積叩き台・チェック結果・まとめの5点が連携して仕上がっていく様子を、その場でフルライブで実演しました。

実際の書式に近い形で、その場で”叩き台”を作成

デモでは、あらかじめ相模原市防災設備協同組合様よりご提供いただいた見積書・点検報告書の様式を参考に、実務に近い体裁でドラフトを作成しました。金額や品目はすべてデモ用のダミーデータですが、数量×単価から小計・消費税・合計まで数式が連動する見積叩き台や、記載漏れ(点検実施日・実施者の氏名や資格・点検種別区分の未記入など)を洗い出すチェック結果まで、数分で出力される様子をご覧いただきました。

株式会社キャリッジリターンの「エージェント経営」もご紹介

後半のデモでは、複数の生成AIが役割分担して動く仕組みを、架空の事例としてだけでなく、講師自身が代表を務める株式会社キャリッジリターンにおける実際の経営の実践としてもご紹介しました。同社では、複数のAIエージェントが資料作成や進捗管理、社内外とのやり取りの下地づくりといった日々の業務を役割分担しながら回す体制を「エージェント経営」と呼び、日常的に運用しています。デモだけでは伝わりにくい「実際に動いている姿」をあわせてご覧いただくことで、「AIチームで会社を回す」というイメージを、より具体的に持ち帰っていただけたのではないかと感じています。

参加者の反応 —「もう人が要らない」ではなく「人にしかできない仕事へ」

講習会後、参加者の皆さまから寄せられた感想の中で特に印象的だったのは、点検作業の現場感覚に即した受け止めでした。点検で現場を回った際のメモをその場でまとめておけば、移動して事務所に帰り着くころには報告書や提案書、見積書まで出来上がっている——消防設備業ならではの「現場から事務所へ」という業務の流れに重ねて、驚きの声が多く上がりました。

中には「もう人が要らないのではないか」というご意見もありました。ただ、今回ご紹介した「エージェント経営」は、人を減らすための考え方ではありません。書類作成や積算・照合といった作業をAIチームに任せることで生まれた時間を、お客様と向き合う時間や、新しい提案・営業活動に充てられるようになる——参加者の皆さまには、そうした前向きな受け止め方をしていただけたことが、今回のセミナーで得られた大きな手応えでした。

セミナー終了後には、先方のお計らいで懇親会(横浜中華街)を開催いただき、業務の実情について直接お話を伺う機会をいただきました。当日は神奈川県中小企業団体中央会の金子様がご欠席となり、高達様に代理でご対応いただきました。この場をお借りして、あらためて御礼申し上げます。

参加者が持ち帰れるもの

講習会の締めくくりでは、明日から実践できる第一歩として、次の5点をお伝えしました。

  1. メール・報告書の下書きを、まず1本AIに頼んでみる
  2. 「下書き係・確認は人」を社内の合言葉にする
  3. “雑メモ→清書”を1回通してみる
  4. 積算・法令は「叩き台と気づき出し」まで。数字と条文は人が原典を確認する
  5. 良い指示文はメモして使い回す(=会社の資産になる)

講師紹介

講師は、さがみはらIT協同組合 代表理事・株式会社キャリッジリターン 代表取締役の福田信也が務めました。現場に無理のないAI・DX導入を支援し、「難しいIT」ではなく「現場の仕事が楽になる仕組みづくり」を重視した内容で進行しました。

スクリーンに投影した講師紹介スライドを示しながら説明する講師の福田信也
講師を務めた さがみはらIT協同組合 代表理事 福田信也

さがみはらIT協同組合として

人を増やさず、手を増やす——生成AIは、少人数の会社ほど効果を発揮します。さがみはらIT協同組合では、今後も地域の中小企業の皆さまが、業種の垣根を越えて「協働・協栄」していけるよう、生成AI・DX活用の普及と実践支援を続けてまいります。