会社訪問禄『グローウィング株式会社』編

株式会社アルビレオ開発房の紹介に引き続き、今回は『グローウィング株式会社』の
紹介をさせていただきます。
グローウィング株式会社代表取締役の山口慎一様にお話を伺いました。(インタビュ
アー:株式会社アルビレオ開発房・笠原)

●グローウィング株式会社について
メインでは、メカトロニクス&パワーエレクトロニクス系制御システム研究・開発
を行っております。分かり易く言えば「ロボット」と「電力変換」になります。詳し
くは、http://grow-wing.co.jp/

会社訪問禄『グローウィング株式会社』編写真

–笠原(以降、K):
グローウィングさんの特徴は、やはりロボット開発だと思っていますが、そもそも、
なぜロボットを選んだのですか?

■山口
ものづくりがしたいという気持ちは、子供の頃からあったとおもいます。プラモや模
型を作ることが好きで、記憶にあるのは、小5くらいの夏休みの自由課題で空母の模
型を作ったんですね。それを学校から持ち帰った日にそのまま池に浮かべて友達と石
を投げて壊して沈めたとか耐久試験じみたバカなことを、いま思えば浅はかな実験で
した。また、よくものをこわします。いまでも。テレビを数台分解し壊したり。目覚
まし時計を数台壊したり。(笑)

–K
作るより壊す量のほうが多い印象がございますが、そうやって構造を理解するという
のはありますよね。
子供の頃から生粋の技術者の資質は十分だったということで。そして、その破壊と残
骸の延長線上にロボット開発があったということですね。

■山口
これは、災害時で使用するもので、消防士の方に追従していくロボットです。複数台
の上に板を乗せて、災害場でのけが人などを運搬することも可能です。
これは、日本ロボット学会でも発表済みで、現在はパワーアシスト関連を機能強化し
て日々進化中です。

・追従制御
目標追従制御

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・協調制御
数台のFRIGOを同時制御

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–K
こういうのって、本当に面白いですよね。私のオタク心を刺激してやみません。
こういうものが生まれるまでには、無数のトライアンドエラーを繰り返すと思うので
すが。

■山口
そうですね。試行錯誤を繰り返さないと良いものはできないとおもいます。

会社訪問禄『グローウィング株式会社』編写真

失敗は当然なんですよ。ロボット開発においても、電力変換装置においても。
お客様に納品時に、ロボットを動かしたら火を噴いたり、暴走して客先で壁やガラス
を壊しそうになったり、勝手に止まったりはしょっちゅうです。お客様にはもちろん
怒られます。
(※そういうリスクを想定した、セーフティマネジメントを考慮したモノづくりを
行っています。
高電圧の電力変換装置の実証実験中に、数か所の部品が爆発して破片が飛んできたこ
ともあります。あれは命にかかわります。軽い感電など日常茶飯事です。
でもですね、製品が出来上がったときや、量産が決定したときは、筆舌しがたいほど
うれしくてたまらないんですよ。
だからやめられない。

–K
エンジニア魂が熱くございます。そして、そんな活動を積み重ねていった結果でしょ
うか、最近は新聞などに取り上げられることも増えてきたようで。

■山口
はい。日本経済新聞、日刊工業新聞、相模経済新聞にとりあげられました。
スマートオフィス・スマートファクトリー化に向けた取組みに参画しています。
メディアに積極的に出ることでモチベーションアップも図っています。

–K
この流れだと、さらに会社も発展しメディアに登場していくことが増えていくと想像
できます。
今後の会社の方向など、お聞かせ願えないでしょうか?

■山口
やはり、基本はモノづくり。メカトロニクスとパワーエレクトロニクスを基軸とし
た、モノづくりに特化した会社として発展していきます。
機械の(ハード側の)駆動・制御に加えて、アプリによる制御や、さらにその上に人
工知能などを搭載することも含めて、なんですね。本当は、機械の材料の選定から行
いたい気持ちもありまして。
なので、これは夢ですが、「製造ラインを持てるような会社にしたい」という気持ち
があります。笑
あと、ロボットに関しては、「Frigo」の別シリーズとして、4足歩行ロボットとい
うのを構想中です。災害地で様々な場所に侵入し、被災者を運べるようなロボットで
す。

–K
ありがとうございました。ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

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