景気が低迷し、一般企業の情報化投資が抑制される中、私どもソフトウェア業界も厳しい状況に置かれておりますが、ここ数年、各企業がリストラや借入金の返済等、抜本的な経営改善を進めたことにより、ようやく投資回復の兆しが見られるようになりました。長期的な視点からも、厳しい経営環境の中で依然として情報化投資が企業競争力を維持、発展させるための重要な手法の一つであるとの認識は変わっておらず、需要の変動があるにせよ、投資基調は今後も続いていくものと思われます。また、システムの高度化や複雑化も進展しており、こうした流れもソフトウェア開発ニーズの拡大を後押ししております。しかし、このように明るい兆しがあるとは言え、経済が厳しい競争社会へと移行する中にあって、ユーザーからはより強く投資成果を求められつつあることも事実であり、私たちも新しい時代に対応した経営体質の強化が求められています。
さて、当業界は受注型産業のため、コンピュータメーカーやユーザーなど発注者側の影響を受けやすく、全般的には下請的性格が強いという特徴があります。つまり、発注者より仕事を受けた企業が、別企業に再発注を繰り返す下請け、孫請け構造が定着しているのであり、ここから、下請となる中小企業の取引条件に関連して様々な問題(低価格請負、納期遅滞、品質低下、従業員の長時間労働及びこれに伴うスキル・モラル低下等)が発生しています。
限られた経営資源しか持たない中小企業が個々の企業努力で、こうした問題に対応していくことは、残念ながら難しいのが実情です。我々はこうした中、相模原市を拠点に、起業家としての夢と希望を貪欲に追いかける中小零細IT業者が集り、活きた情報交換等を通して可能な限り助け合い、また、中小零細情報産業の質的底上げを図ることを目的として平成14年8月に「相模原中小情報処理産業振興会」を立ち上げ、地域に根付いた活動をしてまいりました。しかし、3期目を迎え、厳しさを増す経営環境の中で、さらにステップアップを図る必要性を感じ、今日までその対応策について検討を重ねてまいりました。そして、ここに、変化する時代に同業者が協力し対応していくための新たな組織として、当該振興会を母体とした協同組合組織を活用していくことを決意しました。
組合設立後はソフトウェア開発等の共同受注事業・共同購買事業に取り組み、組合員各企業の利益の確保・拡大を図り、また、教育情報事業によって技術力のレベルアップを進め、ますます高度化・複雑化が進むソフトウェア開発事業に対応していく所存です。特に、組合の共同受注事業のねらいとする下請受注構造の改善(流通経路の短縮)は、受発注者双方ともメリットを享受することが可能であり、業界の発展に大きく寄与するものと確信いたします。